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庄田望著『白蓮華』

 元石川県教組委員長の庄田望さんが書かれた『白蓮華』を読みました。とてもよかった。知らないことがいっぱい出ていました。しかも、飽きずに読めた。さすが庄田さんだなあ。サインもしてもらった。

 帯の言葉を引用する。

石川県で初めて献体を申し出たのは、盲目の女性だった。竹川りんはなぜわが身を医学に捧げる決意をしたのか。これは明治初頭、金沢とその周辺を舞台に、激動の時代を必死に生きた名もなき民の物語である。

 名もなき民…といっても、そこは小説なので登場人物にはちゃんと名前がある。竹川りんをはじめ、実在の人物も登場する。また、当時、金沢の被差別部落では、藤内医者という人たちがいて、貧しい百姓たちに対して医療を施していたようで、そんな人たちもとても大切な役として登場する。
 本書の「解題」を書いた山嶋氏は、この小説を書き上げるときに、著者に何度も相談を持ちかけられたそうだ。

著者は一言一句の正確さにこだわり、一行を書くために一ヶ月も文献を調べるという超凝り性の方である。「藤内」については地域に入り、聞き取り調査もしている。(解題より)

と書いているくらいだ。

 本書からは、当時の金沢の被差別部落の生活や貧しい百姓たちの様子が生き生きと伝わってくる。名もなき民が、しっかり生きている小説。当時の金沢の歴史・医学の勉強になるかな。

白蓮華身を解けとぞ言いて逝く医に世直しの思いを託し
(著者)

一般には販売されていない。石川学生協に問い合わせてね~。

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