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田島奈都子編著『プロパガンダ・ポスターにみる日本の戦争』

 以前,地元の友人が「ポスターが蔵にあった」と戦時中のポスターを見せてくれたことがあった。確か「国債」の購入を求めるものだった気がする。いわゆるプロパガンダ・ポスターだ。
 長野県阿智村のある家庭の土蔵に,そういうポスターが130枚以上も見つかったという。当時の日本政府は,敗戦のあとすぐに戦争関連の書類などを廃棄するように指示しており,その指示をちゃんと守っていれば本来残るはずのないものだった。実際,何万枚も印刷された割には,こういうポスターはあまり残っていないらしい。
 それにしても,様々なポスターがあり,とても興味深い。ポスターにつけられた短い解説も読みやすい。時代順にただ羅列してあるわけではなく,ちゃんとカテゴリーになっているので,当時についての歴史的な知識がない人も読める。本書をまとめるキッカケは130枚のポスターの発見だが,著者は,読者の理解を助けるために,適宜,他のポスターも紹介しながら説明してくれる。
 那智村のポスターは,その複製品が1枚1000円で貸し出してくれるそうである。5万円もあれば,けっこう立派な展覧会ができそう。

 中央に裸の赤ちゃんが指をくわえている絵がある「強く育てよ御国の為に」のポスターは,ショックだなあ。でも,考えてみれば,今でも,子どもたちの教育は「お国のために」という視点で行われているような気もする。
 もっと「あなた自身のために」で行こうよ。

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