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金子兜太著『あの夏,兵士だった私』

 俳人・金子兜太による〈魂の叫び〉が詰まっています。
 自分の母親との原体験,秩父での自然,そして,秩父音頭の5・7調のリズム。治安維持法により,俳句の仲間でさえも捕らえられる現実。そして,戦争なんて…と思いながらも志願して最前線に赴き,アメリカとの戦闘で死ぬよりも餓死者を多く見てきたトラック島での体験。敗戦後,捕虜になってからの贅沢な生活。帰国してからは,日銀に戻り,労働運動に精を出す。
 自らを「自然児」「荒凡夫」「存在者」「自由人」として生きると決め,そのとおり生きようとしてきた兜太。
 最後の最後まで「アベ政治を許さない」と書き綴った本書は,戦争の惨さ・惨めさを腹の底から知っている兜太からの熱い熱いメッセージです。
 反戦川柳作家・鶴彬のことにも触れていますよ。

 身体は「定住」の世界に置きながら,時折,魂を「原郷」の世界に浮遊させることにした。それが「定住漂白」,「定住」と「漂白」の両方を併せ持つ概念です。(180p)

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