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中村高康著『暴走する能力主義-教育と現代社会の病理』

 いやー,読んでいてスカッとする本でした「これからの能力」「21世紀型能力」「ホンモノの力」「新しい学力」などといって,現場に次々と襲いかかる「能力開発」の圧力…それを冷静に読み解くと,あら不思議,何にも新しいことはないし,これからも人間は生きていくし,子どもたちはちゃんと育っていくし,学校も今までどおりでいいじゃない。少なくとも,これまでやってきたことをじっくりとふり返りながら,子どもに寄り添っていこうじゃないか…と,そんなことを考えてしまう本でした。
 いつの時代も「新しい能力をつけよう」とあたふたしてきた教育界。なにか「新しそうなことを打ち出すと,本当に新しいことが始まるのではないか」と思っているだけの教育界。この本で指摘されているような「能力主義」の原理を知らない人たちは,右往左往するばかり。めいわくを蒙るのは,当事者である子どもたち。
 反知性主義がはびこる日本社会の典型が,昨今の「能力主義」をめぐる議論の世界にあると思いました。
 今までどおりで大丈夫です。地に足をつけて進みましょう。

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