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フィリップ・ジンバルドー著『ルシファー・エフェクト』

 スタンフォード大学の地下で行われた監獄実験。1970年代のことらしいが,今回,ある講演会でこの実験の存在を聞き,興味を持って本書を読みました。本書の発行を見ると,最近まとめられたらしい。今になって,なぜ。それもまた,興味のあることです。
 普通の大学生・大学院生を,囚人と看守に分けて2週間生活させると,どのような変化が起きるのか。その恐るべき実験結果と,実験に参加した学生たちのその後の様子,そしてこの実験を巡る世の中の動きに関して,実に詳しく描かれています。
 800ページもある本書のうち,スタンフォード監獄実験そのものについての記述は,約半分。私は,まだ,そこまでしか読んでいませんが,これでも十分に読むに値する本です。

 あなたの人間性だって,社会的な状況の力や,それを生み出して維持する"システム”の力によってねじ曲げられかねないのだ。(422ページ)

 状況の力によって,私たちは,いつの間にか,本来の自分にはあると思っていなかったような状態になることもある。おそらく,戦争というのは,その一番の状態なのでしょう。状況の力によって,他人の命の大切さなどは,2の次になってしまう状態は,大変怖いことです。

 現在(2017年),「もう,ここまで来たら北朝鮮に爆弾の1つでも打ち込めばどうか…」などと思っている人は,すでにいくつかの国家が作り上げた「状況の力」に翻弄されてしまっている人であると言えるでしょう。その爆弾の下に,私たちと同じ血が通っている人たちもいるということを想像できなくなっているのですから。

 この実験については,ネット上にもいろいろと紹介されているようです。

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