« 鈴木みつはる著『ゴッホ』 | トップページ | キアーラ・ロッサーニ文/オクタヴィア・モナコ絵『ゴッホ-風がはこんだ色彩』 »

見てきました「この世界の片隅に」

170204 身近な知り合いから,そして,FB友達から「是非,見るべき」と教えられていたアニメ映画を見てきました。サークル仲間のSさんから,「けっこう観客が多いかもよ」と云われていたので,1時間以上も前に受付をし,中央あたりの座席を確保した後で,買い物をしながら待っていました。確かに,終わって見れば,映画館には,これまであまり見たことのない数の人たちがいました。
 映画は,広島のとなりの軍港であった呉を舞台にしたもので,主人公の女性の生きざまが,何とも言えない(ネタバレになると困ることもあって(^^;;)描かれかたで,伝わってきます。
 戦時中という日常。いつも暗い顔もしていられないし,その中でも明るく振る舞うこともあるでしょう。「戦時中=よくない」という私たちの常識からすれば,その戦時中を日常として生きるしかなかった人たちも,ずっと「私の人生は全くよくない」という思いを持って生きるしかないのか…それだと人間は生きる力が出ません。
 そのあたりの微妙な部分を描写を感じながら,「でも,やはり,私たちの幸せは戦時中にはないんだ」と思いました。
 与えられた日常を精一杯生きることも大切なんですが,なにか,今ひとつ,やりきれない気持ちもあります。
 私には,この映画と重なって見える世界があります。
 それはちょうど,ハンセン病患者が隔離施設で一生過ごさざるを得ない中で,その自分ではどうすることもできない日常に対して,最初はとても悲観的になるけれども,そのうち,その塀の中でいかに活き活きと生きるかを考え,ついには,新しい文学をつくっていく人も出てくる…という逆説とも重なって見えてくるのです。塀の中で,元ハンセン病患者たちから素晴らしい文学が生まれたからといって,この隔離政策が正しかったと言えるはずはない。
 この映画を見たあとの、少しだけの違和感は,どっか,このあたりにあるのかもしれません。

|

« 鈴木みつはる著『ゴッホ』 | トップページ | キアーラ・ロッサーニ文/オクタヴィア・モナコ絵『ゴッホ-風がはこんだ色彩』 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/105430/64861876

この記事へのトラックバック一覧です: 見てきました「この世界の片隅に」:

« 鈴木みつはる著『ゴッホ』 | トップページ | キアーラ・ロッサーニ文/オクタヴィア・モナコ絵『ゴッホ-風がはこんだ色彩』 »