« 郷社出水神社 | トップページ | 日本オリジナルじゃなかった! 折り紙 »

浜田寿美男訳編『ワロン/身体・自我・社会』

 ワロンに関する解説書です。たぶん,読みやすい方だと思います。

 ワロンに関する本を読むのは,これが2冊目。いよいよワロンにハマってきています。
 著者は,「はじめに」や「あとがき」でワロンの文章はとても難解だといいます。しかも,以前に日本語に翻訳されている著作はとても読めたものではないものだと,次のように述べています。
「ワロンの理論自体の難解さはともかくとしても,アカデミズムにしか通用しない,いやもっと言えば,本来通用するはずのないものでもアカデミズムでならば通用する,そういうけったいな風潮にのっかっているようなことろがあるとすれば,それは許されるものではありません。」
 こういうことをいうと,それは全て訳者自身に跳ね返ってくることであることも自覚しています。
 本書は,章ごとに「ワロン論文の訳文と訳者の解説」というペアでまとめられています。ワロンに限らず,こういう論文というのは,専門用語がちりばめられていて,スムーズに読めるものではありません。それは,ピアジェの論文だって同じことです。それで,訳者の解説がとても役に立ちます。
 ワロンの全体像は,まだまだ私には理解できませんが,ワロンが寄って立とうとした研究の視点と子どもの捉え方は,ピアジェとの対比の中で,だんだんと分かってきました。
「ピアジェとの対比において見るとき,全体性をそのさまざまな矛盾を含んだ姿のまま,多面性を多面性のままとらえようとするワロンの全体的志向が,鮮やかに浮かびあがってきます。彼の方法が弁証法的だと言われるゆえんは,おそらくここにあるのです。」(267p)
 

|

« 郷社出水神社 | トップページ | 日本オリジナルじゃなかった! 折り紙 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/105430/64609943

この記事へのトラックバック一覧です: 浜田寿美男訳編『ワロン/身体・自我・社会』:

« 郷社出水神社 | トップページ | 日本オリジナルじゃなかった! 折り紙 »