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鹿毛雅治著『学習意欲の理論…動機づけの教育心理学』

 骨のある本した。何せ6000円する。でも,その価値あり。久しぶりに大学生に戻った感じでした。ただし,わたしは教育学部出身じゃないけどね。

 教育心理学の教科書ですね。主に動機づけについて書かれていました。
 こういう理論をまとめたような本を読むのは,もしかすると大学以来かも知れません。それくらい,時間をかけて,じっくり読みました(というか,一気に読むことができませんでした)。
 これまでの教育心理学が得てきた科学的な成果を一つ一つ紹介してくれています。複数の理論が,どのような関係にあるのかも,けっこう分かりやすく書かれていました。
 また,理論の紹介のあとには,必ず「具体例」が示されていて,「なるほど~,現場のこのような現象は,理論的には,こんな風に説明できるんだな」ということが分かりました。この具体例の大切さを,本書ではとくに感じた次第です。
 アタマに残った言葉は,「諸刃の剣」です。動機づけの方向を誤ると,努力したことさえも,自尊心を傷つけることもある…。他にも,教育の場には「諸刃の剣」は,たくさんあります。よかれと思ったことが,子どもの意欲を減退させる…。
 最近の教育現場では,「行け行け!!」と,一つの指導法や評価法で統一される雰囲気があり,ときどき,「それって全員にあてはめて大丈夫か?」と思うこともあります。
 何かと言えば,すぐに,評価! でも,その扱い方によっては,かえって動機づけにマイナスになることもあることを知るのは大切です。
 冷静に対処するためには,こういう理論書をたまにひらくのも良いものです。
 個人的には,本文最後にあった,教員には「教育専門職としての自律性を保障することが重要である」という指摘に大いに肯きました。
 本書の3分の1位をしめる,詳しい「註」「引用文献」「索引」などもついていて,本格的に教育心理学を学修しようという若者にとって,いい入門書となっていると思います。
 どうにかして,職場のみなさんにも,本書のエキスを伝えたいなあ。

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