« ドリアン助川著『あん』 | トップページ | クルマ脱出・四コマ写真 »

寺田寅彦著『災害と人間-地震・津波・台風・火災の科学と教育』

 やまねこブックレット第6弾が出ました。今回は,寺田寅彦です。寺田寅彦の随筆は,これまで半分ほど読んだでしょうか。こうして,あるテーマにそって集められていると,また,違った読み方ができるものです。そして,まだ読んでいないものも読んでみたくなります。

 科学者でありながら名文も書く…科学随筆家・寺田寅彦の数ある随筆の中から,地震・津波・台風・火災などについて書かれている文章を集めたブックレットです。これらの文章から,寅彦の「物事に対する科学的な見方・考え方」が,しみじみと伝わってきます。
 寺田寅彦の随筆は,青空文庫などで,タダで読むこともできますが,本書は,編集の段階で,旧仮名遣いを改めたり読みやすくしたりしてあります。
 寅彦が,軍の増強をするなら,もっと災害について科学的基礎的な研究にも力を入れて欲しい。それが,最終的には国家の為になるのだ…と言うような意味のことを言っています。時代が時代なので,こういう表現しかできなかったのでしょうが,それでも,科学的の考え方のないところでは,進歩はないと言っているのはさすがです。
 寅彦の熊本の第五高等学校時代の英語の先生は夏目金之助先生でした。この先生は,のちに,夏目漱石と呼ばれる文学者になる人です。文学的な感覚は,この時に養ったのかも知れません。
 巻末には,中谷宇吉郎の「天災は忘れた頃来る」と板倉聖宣の「研究の楽しさを知っている科学者寺田寅彦」も掲載されています。短い文章ですが,2つとも,寺田寅彦の人となりを表していて,貴重な短編です。

|

« ドリアン助川著『あん』 | トップページ | クルマ脱出・四コマ写真 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/105430/63113942

この記事へのトラックバック一覧です: 寺田寅彦著『災害と人間-地震・津波・台風・火災の科学と教育』:

« ドリアン助川著『あん』 | トップページ | クルマ脱出・四コマ写真 »