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死んだふり・聞こえないふり

140725 最近,とみに身近に感じるようになった昆虫にゾウムシがいます。
 このゾウムシたちは,よく葉っぱの上に乗っているんですが,マクロ撮影しようと思って近づくと,死んだふりをして地面に落下してしまいます。その後をじっと見ていると,30秒ほどでそっと起き出して,歩き始めたりするんです。
 身近に感じるようになったというのは,「今まで,こんな昆虫がいることに気づかなかったのに,よく見かけるようになった」という意味の他に,「<ふり>の大切さに気づいた」ってことでもあるんです。
140725_01 私たち人間は,ゾウムシのように死んだふりはできませんが,「聞こえないふり」や「聞いているふり」「寝たふり」などをすることはできます。
 ゾウムシたちは,自分の身を挺して(落下してまで)死んだふりをすることで,身を守っています。実際,死んだふりをしたゾウムシを見つけられたのは,この2ひきだけです(6月と7月の写真)。あとは,落ちたときにどっかにいっちゃって,見つけることもできませんでした。ゾウムシにとって「死んだふり」は,それこそ,身を守る大切な技術なんですね。
 仕事の場でも,理不尽なことがいっぱいあります。「それってほんとうに子どものことを思って提案しているわけ?」というようなことを言われるときがあります。あるいは,「教師はこうあるべき」というようなことを,なんの説得力もなく言われるときもあります。いちいち反論することもありますが,相手がほとんど変わる可能性のないときには,ここは「聞こえないふり」をするのが一番です。しかも落下までできるといいですね。
140725_02 そして,捕獲者がいなくなった教室で,のそのそと這い出し,子どもたちと楽しく授業をするんです。これって,ゾウムシ的でなかなかいい教師生活です。
 考えてみると,子どもたちって,聞いている振りをしなくても,ほんと聞いていないですよね。興味のないことは,はじめっから耳に入らない。これって,「自分を保つため」にはとっても大切な技術なのかも知れません。「お前,また,聞いていなかったな」と子どもを責める前に,「オレの話は,この子にとっては,価値のないことだったんだ」と思った方がいいかもしれません。子どもたちは,聞きたいと思ったことはちゃんと聞きますから。
 「授業の話は聞いていなかったけど,脱線話はおもしろかったなあ」なんてことをいう大人たちがいっぱいいますからね。
 だけど,やっぱり,教師としては「あのときのあの授業が楽しかったよ」と授業の内容そのものについて言ってくれるような子どもたちが増える授業をしないとねえ。

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