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『舳倉島・七ツ島からの手紙』

 「雪は天からの手紙である」と言ったのは加賀市出身の中谷宇吉郎でした。本書は,能登半島の北の海上に浮かぶ島「舳倉島」と「七ツ島」からの手紙について書かれています。
 じゃあ,どんな手紙なのか…。それは読んだアナタガ判断してください。
 舳倉島には20年ほど前に一度集まりで出かけたことがあります。潮だまりに住んでいるボウフラに感動したことを覚えています。
 一方,七ツ島に興味を持ったのは,「大島で繁殖しているオオミズナギトリが危機に瀕している」という記事を見てからです。無人島である大島なのに,一体誰がオオミズナギトリをいじめているのか…。それは以前漁師たちが放したらしいカイウサギの繁殖のためでした。
 別に,カイウサギがオオミズナギトリを捕食するわけではありません。オオミズナギトリもカイウサギも地中に穴を掘って巣を作ります。生活環境の奪い合いが起きていたわけです。
 弱肉強食という世界と生存競争という世界が違うものであり,生存競争は,場合によっては徹底的にある種を滅ぼすことがある…ということが分かった時には,目の前が開ける気がしたものです。
 本書は,そういう話もあるし,地質学的な話もあります。生活文化についても語られています。この島々の様子を知ることで,大きな島国としての日本の生活についても考えさせられることでしょう。
 写真もきれいだし,値段も安いし,オススメの本ですよ。

 能登半島輪島市の沖合50㎞に浮かぶ舳倉島。舳倉島と輪島との中間に位置する場所には七ツ島と呼ばれている無人島があります。七ツ島は能登半島の外浦を走っていると沖合に見ることができます。千枚田からも見えますよ。
 さて,本書は,2008年から2010年にかけて行われたこれらの島々の自然環境調査の報告書です。といっても,難しい学術論文が並んでいるわけではなく,カラー写真がいっぱいの読みやすい本に仕上がっています。舳倉島などの調査は以前からも行われていて,現在との比較から分かったことも紹介されています。
 全体は4章に分かれています。第1章「押し寄せる環境重圧」,第2章「動植物は何を語る」,第3章「島々の誕生と発見」,第4章「島の暮らしと遺産」。
 個人的には,島の成り立ちについて書かれている第3章が新鮮でした。

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