« いろいろな5月21日 | トップページ | 今日の一枚:ハクトウワシ »

安富歩著『原発危機と「東大話法」』

 世に「東大話法」と呼ばれている言論法?がある。
 人を納得した気にさせる方法,詭弁の別名。責任逃れの方法とも言えようか。別に東大出身だから…というわけではなく,立場で語る人たちにも一般的に見られる「言論」である。
 たとえば,教育界で言えば,なんでも「指導要領」を基準に語る人々がそうである。彼らは,「指導要領」が改訂されると,とたんに手のひらを返したように,今までの自分の言葉を否定して,次の「指導要領」に沿った話をする。「あんた,以前は違うことを言っていたじゃない」といっても,その言動に対する責任はとらない。それは「時代が変わった」ことにするのである。「立場だからね~」という言葉が如何に日本にはびこっているかは,下記の本を読んでほしい。それがどこから来ているのかも分かってくるかもしれない。

 
 しかも,この「東大話法」という呪縛は,わたしをも包み込んでいることがあるから,話はややこしい。気をつけて話さないといけないなあ。

 自分の本棚の分類では「原発問題」というカテゴリーに入れたけれども,本書は,モノの考え方に関するとても大切な視点を与えてくれる本です。
 特に,専門家という人たちの「傍観者の論理」「欺瞞の言語」を鋭く見破る眼を持たないと,もう一度,あの原発事故と同じような目に遭うかもしれません。
 先日の武田邦彦講演会で,原発村の社員らしき人が,「武田先生の講演は東大話法だ」なんて言って内容を批判していて,そのときは,この本を読んだのかなあと思いました。ま,新聞にも取り上げられていたのでそれを読んだのかもしれません。だって,本書を読めば,その質問をした電力会社の人は,自分の立場に立って,電力会社社員としての役目を果たそうとしている意見だったからです。そういう立場で考え行動することが,結果に対して如何に無責任になってしまうのか…も本書で述べられています。
 本書のタイトルにもある「東大話法」の話も確かに面白いですが,私は,第4章の「役と立場の日本社会」が特に共感できました。

 

|

« いろいろな5月21日 | トップページ | 今日の一枚:ハクトウワシ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/105430/54825365

この記事へのトラックバック一覧です: 安富歩著『原発危機と「東大話法」』:

« いろいろな5月21日 | トップページ | 今日の一枚:ハクトウワシ »