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たくきよしみつ著『裸のフクシマ』

 規定された読書,第2弾は,たくきよしみつさんの『裸のフクシマ』。これは今回読んでいる4冊のうち,唯一新書版ではありません。
 たくきさんは,もともと福島県福島市生まれなのですが,ちょっと野性的な生活を楽しんでいる様な方です。新潟に住んでいたのですが,2004年の中越沖地震で自宅が壊れ,仕方なく,生まれ故郷の近くの双葉町川内村に引っ越して住んでいたのでした。仕事場は都会の川崎市。そことの二重生活をしながら…そしてそこで東日本大震災に遭遇するのです。
 原発事故にあった一住民としての視点が新鮮です。もともと物書きでもあるので,当時のテレビの放映や避難対策についての諸々に対する視点がユニークです。350ページあまりの本ですが,お休み中に一気に読んでしまいました。

 タイトルにもなっている「裸のフクシマ」とは,フクシマという場所で,原発がらみの利権が横行し,「国策」という名で地元を徹底的に貪ってきたそういう状態のことをいう。そこには,すでに地域が持っていた伝統的なよさもなければ,人が自分たちで立ち上がろうとする意欲もない電源三法交付金をあてにし,原発の固定資産税をあてにし,それがなくなってきたら「また新しい原発を」と要求する。そんな状態が裸のフクシマなのだ。
 著者は云う。
「裸にされた福島の地で,なお原発に頼ろうとする人たちがいることは驚きだ。」
 そうなんだ。原発の甘い汁を知った人たちにとって,原発は温暖化問題でもなく,エネルギー問題でさえない。それは楽して自分たちの生活の糧を得るための施設なのだ。本当の裸になってしまっているのに…。
 自分で服を着て再出発するしかないのだけれど…。

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