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教え子の姿と「補助線」

 昨日,近くの中学校で研究発表会があり,私も出かけました。その中学校は,うち小学校の子ども達が卒業後通っている中学校です。わたしは,1年生から3年生までのほとんどの子を知っていることになります。わたしが担任したのは現2年生の約半分。5年生の時のことです。
 中学校へは,文化祭などにもオジャマしていますので,数年ぶりの出会い!!というわけではありませんが,それでも,体が大きくなっていることにびっくりです。実際,休み時間にはたくさんの子が,背比べをしに私の横に来てくれました。とにかく大きくなったなあ。
 この中学校は,昨年から,佐藤学さんの「学びの共同体」に取り組んでいます。一生懸命「学び合い」をしている姿を見ながら,小学校の時のことをいろいろと思い浮かべていました。
※昨日の授業は,「ある図形に補助線を引いて角度を求める」という内容でした。その補助線の引き方をみんなで幾通りか考えていました。

 今から3年前…。
 5年生の算数の時間,L字型の形(2つの長方形がくっついた形)をした図形の面積を求める問題をしていたときのことです。
 教科書には2つのやり方が出ていました。うちの教室の子どもたちも2つのやり方をやっていました。その2つのやり方とは「2つの長方形の面積を出して足す」というのと「大きな□の面積から小さなの面積を引いてLを出す」という方法です。
 で,ある子が,ひき算で求める方法を説明しているときに,Tという女の子が「その説明がよくわかんない!」と言って,次のように言いました。
「なんでそこに線を書くんですか? Lの形なのに,なんで□にするんですか」
 彼女は,補助線を書いて「これが大きな□だとすれば…」という意見に対して,補助線を書いてもいいのはなぜかを聞いてきたのです。「そこに何も線がないのに,なんで線を書いてもいいのですか」というのです。そう言われた子は「だって,□にすると分かりやすいでしょ」というのですが,Tは「何もないところに線を引く意味が分からない」と食い下がります。最終的にどんな説明でTが納得したのかしなかったのかは忘れましたが,このときこういうこだわりをTが表明したことを,わたしは鮮明に覚えています。
 このTと子どもたちとのやりとりを聞きながら,<もしかしたら,今まで担任した子にも,こういう問題に対して「不思議なことをするもんだ」と思いながら,あまり納得せずに済ませてきた子がいたのかもしれないなあ>と反省したのでした。
 <何もないところに線を引いて,L型を□にすることをしてもいい…>ということについて,みなさんなら,どう説明しますか?

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

kagi様
そういう学校ってありですか? 教えたとおりにやらないといけないってことですか…ん~。

池ポチャ様
そうですよね。こんなことを平気でいうことができる学級だったことがとてもうれしいです。そんなこだわりに対して一生懸命答えようとする子ども集団もまた立派です。

salir様
さすがです。同僚と話していたときも,「L字形の図形を作るときには,まず長四角に切るでしょ」って実際に色紙を切ってみればどうだろうってのが出ました。
「補助線」っていうのは,分かっているから見えるのであって,わからない人にはわからないんですよね。だから,補助線に気付く楽しさを教えないと証明問題なんて嫌な問題になるんでしょうね。数学嫌いを作っちゃう。
教師ってわりとこういう問題が好きだった人が多いから,わからない人の気持ちが分からないんです。わたしも注意しないと…。

投稿: 珠洲たの管理人 | 2011年12月 3日 (土) 19:42

既に面積は、わかっていて、どうやって求めたのか?ということを探る授業も面白そうですよね。もちろん、必要な情報は載せたうえで。


折り紙などを使い、切ることで補助線の意味を伝えることもできるかと。

人は「正しいことを正しい」と認識できない動物で、「納得できたことを正しいもの」と認識してしまうおかしな生物です。
「正しいことをうまく納得させる」これが一番難しいんですよね・・・(汗)

投稿: salir | 2011年12月 3日 (土) 11:42

その子すごいですね。自分の疑問をサクッと言えて。その授業・クラスもいいですねぇ。そういう話し合いができるのはいいですよ。やっぱり「分からない」ということを言える人、言える組織・社会がいいです。

投稿: 池ポチャ | 2011年12月 3日 (土) 10:25

違う解き方は不正解とする学校が埼玉あたりにあるとか…

投稿: kagi | 2011年12月 2日 (金) 12:18

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