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北条民雄著『いのちの初夜』

 北条民雄という人は,ハンセン病(当時は癩病と言っていた)患者でした。当時「不治の病」だと信じられていた癩病にかかった彼は,本名を捨て,東村山の施設に入社し,わずか3年ちょっとでなくなります。
 本書はその間に発表した小説やエッセイを集めた本です。
 

北条 民雄
角川書店
発売日:1955-09
 著者は,大正3年生まれ。18歳で発病しわずか23歳で短い人生を閉じました。
 発病してからは多摩全生園(当時は全生病院)に入院し,癩という病気になった自分に対して度々絶望におそわれながらも,次々と文学を書いていきました。川端康成に認められ,文章を発表していきました。本書のあとがきも川端康成が書いています。
 年譜には,生まれについては「大正3年 9月某日某県に生まる」としか書かれていません。癩になったら,家族はいないと思え,死んでも故郷には帰られないと思え,と言われていた時代だからこその配慮なのでしょう。
 表題の「いのちの初夜」は,彼が全生病院に入った日の事が書かれています。ほかにも,日記風だったり,小説風だったりしながら,「命の叫び」が綴られています。

 私は,一昨年だったか,多摩全生園へ行ってきました。本書にも出てくる「柊の垣根」は,今は,私の背丈よりも低く刈り込まれていて外の景色は十分見えました。最寄りの駅から,歩いて行ってみました。暑い日でした。

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