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肥田舜太郎・鎌仲ひとみ著『内部被曝の脅威』

 内部被曝について,震災前に書かれた本(2005年発行)を読みました。
 肥田さんは,自らも広島で被曝したお医者さんです。その医者という立場からたくさんの患者を見てきた上で,内部被曝の危険性や,低線量被曝の危険性に言及しています。ICRPが何と言おうと,<現場で見て来た患者の姿から出発する>という考え方がうれしいです。教師だって,だれがなんといおうと,<目の前の子どもの姿から出発して>考えるべきですよね。
 鎌仲さんはジャーナリストです。イラクやボスニアで取材を行い,戦時中に使われた劣化ウラン弾の被害を見て,使った側(例えばアメリカ)が言うよりも放射線による被害が出ているようすを報告しています。が,これも正式には「認めない」事実となっています。

肥田 舜太郎,鎌仲 ひとみ
筑摩書房
発売日:2005-06-06

 引用を一つ…威力の大きな爆弾としての原爆の被害は理解するけれど,内部被曝がゆっくり人を殺すことを確信できる医師はほとんどいません。彼らの尺度は現在の医学であり,それが内部被曝の脅威を認めないかぎり,彼らはその線を離れられないのです。 (191p) 

 「自分たちの感覚を信じて新しく研究しその成果を公表しよう」とすると,つぶされる世界が,どこにでもあるようです。現状の追認しかできない人たちに,「進歩」はありませんね。

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コメント

予防原則…大切なことです。日本人は公害先進国だったのですから,そんなことはわかっているハズなんですが,歴史は(姿を変えて)繰り返す…ですね。

「真理は10年にして勝つ」という言葉が好きです。現在は少数派でも,それが正しいことならば,言い続けていれば多数派になれるのだということです。30年はちょっと待てないなあ。

自由がないところで指導をさせられると,もし失敗しても「○○が言ったからそのとおりやっただけ」と責任転嫁をしてしまいがちです。それが,新たな無責任体質を生んで,現場は全く進歩しないんです。

投稿: 珠洲たの管理人 | 2011年10月17日 (月) 22:34

国際放射線防護委員会(ICRP)でも対立があるようですが。。。

はっきりしないことに関しては「予防原則」に従い、危険な方を採用しなければなりません。
もちろん、安全性がはっきりしたときは、過敏に反応する必要そのものがありませんが。


小中学校の教員の方々には、大学の教員のように多くの権限と責任を与えるべきだと考えています。
ただ、福島第一原発事故の後、まもなく学校を開いたこと・地産地消の食材を使った給食を子どもたちに食べさせていた現実。栄養士に要望すれば「私の仕事ではない」と返ってくる。事実、現場は「子どもたちに給食を控えるよう努めた形跡」がない。
これでは「目の前の子どもの姿から出発してはいない」と言わざるを得ません。

「横領した」「横流しした」なんてニュースが立て続けに起きたとのことですが、どうも「日本人の誠」を失った大人が多いのではないかと思います。
人の脳というのは「未来」を見ているのではなく、「納得したこと」に落ち着くものなので、新しいものというのは、「30年くらいあとに評価されたら良い」と思っているくらいが良いのでしょう。

投稿: salir | 2011年10月17日 (月) 17:08

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