« 気になる「ふろく」 | トップページ | 机の上にあったお土産「御守り」 »

『「東北」再生―その土地をはじまりの場所へ』

 震災後に書かれた本も,最近は少しずつ読むようにしています。
 本というのは,<それが書かれた時点>でのある予想の下で書かれていますので,もしかしたら,すぐに古くなって,数ヶ月後には,もう役に立たないものになるかも知れません。でも,それを承知で,今後の東北地方や日本のあり方について語っている本を読みたくなります。それはこれらの<新しい予想>があっているのかどうかの実験が,これから始まるというわくわく感でもあります。
 津波被害や原発事故被害が起きた当初は,「それみたことか」みたいな言論が多くて,とてもそんなものを読む気はしませんでした。しかし,そろそろ「これからどうするのか」という言論を読んでみてもいいでしょう。

赤坂 憲雄,山内 明美,小熊 英二
イーストプレス
発売日:2011-07
 福島県立博物館長である赤坂憲雄氏と小熊英二氏,そしてまだ学生(と言っても博士課程)の山内明美氏との鼎談集です。
 赤坂さんが原発事故を引き合いに出して,「東北はまだ植民地だったんだ」と言った言葉がわたしの頭から離れません。それまで原発に対して曖昧な態度だったという赤坂さんは,今回の事故で立場をはっきりさせて行動しています。「いわなくてはならない」「行動しなくてはならない」と思ったそうです。
 わたしのすんでいる能登半島も「大都市の植民地」なのじゃないかと思います。
 小熊氏が,「今回の震災がもし沖縄にあったても,やはり「がんばれ日本」って言っただろうか…」と疑問を投げかけます。わたしは,言わないような気がします。その違いはなんでしょうか。そんな新たな視点も与えてくれる本です。

 津波に遭った地域の人たちは,本当に高台でニュータウンを作れるのでしょうか?
 原発の被害は,いつ収まるのでしょう? 自宅に帰ってからしっかり仕事が見つかるまでに,どれくらいかかるのでしょう。それまで待てるのか?
 自由主義国で起こった初めての大災害。チェルノブイリの時は,私的財産がなかった分,簡単に集団で避難ができたのだということも言えるようです。
 一体,東電はどのように保障をして,被災者はどのように生活をしていくのか。ワカラナイことだらけだけど,原発がなければこんなことは起きなかったことだけは確かです。だって三陸海岸の人たちは,ずっと前から津波には何度も遭遇しているし,それでも海の近くに家を立てて,津波とつきあってきたという過去があるのです。原発事故は本当に「余計」でした。

|

« 気になる「ふろく」 | トップページ | 机の上にあったお土産「御守り」 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/105430/53074881

この記事へのトラックバック一覧です: 『「東北」再生―その土地をはじまりの場所へ』:

« 気になる「ふろく」 | トップページ | 机の上にあったお土産「御守り」 »