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山村武彦著『人は皆「自分だけは死なない」と思っている』

 面白い本を見つけました。本書の発行は,2005年3月です。
 <今回の大震災以前に「防災」ということについて,ここまで語っていた人がいたんだ>と感心してしまいました。本書の内容がもっと前から世間に流布していれば,今回の大震災や原発事故での政府の対応も,学者の対応も,もっと違ったものになっていたのではないかと思います。
 今年読んだ本の中でも,お薦めの本です。
 最初に出ていた「ある学生寮での実験」から,私は本書に引き込まれ,一気に読んでしまいました。
 おもしろかったし,ためになったし,今後にも生かすことのできる内容の本です。

 東日本大震災前に出版されていた本です。
 まるで予言書です。本書の内容をしっかり読んで準備をしていれば,もしかしたら,もう少し被害が少なかったのかも知れないなと思いました。
 社会心理学的な立場から,防災や危機管理について述べています。
 人は,とっさの時,どんな行動を取るのか? それは一人でいるときと集団でいるときでどんな違いがあるのか? 防災無線はどれくらいの人が聞いていて,それによりどれくらいの人がすぐに行動するのか? パニックを起こすから本当のことを小出しにするというのは,正しいのか?
 日本では今度の震災で「想定外」の津波が起こり,「想定外」の原発事故が起こり,未曾有の被害が出たことになっています。
 しかし,本書を読む限り,それは<想定内の人災事故>でしかありません。
 本書の題名通り,「私だけは大丈夫」と,なんの根拠もなく思っている私も,けっこう反省しました。
 今回の地震で,「地震予知はできないのではないか」と思われています。地震予知ができるといって,大規模地震対策特別措置法などを制定しているのは日本だけだとか…。
 著者は,地震予知について「東京大学のロバート・ゲラ-博士の意見にこそ耳を傾けるべきだ」と云っています。予知に頼っていると,いつも想定外の地震しか起きないのですから…。

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