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レベッカ・ソルニット著『災害ユートピア』

 とても面白い本を読みました。
 大災害時には,社会秩序は無茶無茶になり,大変な混乱が発生する…と一般に信じられているのではないでしょうか。でも,今回の東日本大震災では,あまりにもそれがなくて,「さすが日本人の道徳はすばらしい」という評価まであったようです。
 しかし,本書を読むと,災害時の人の行動は,どの国でもあまり変わらないようです。自分が被害を受けながらも,最初の救助はその被災者が積極的に動いている姿もよくあるようです。むしろ,行政の方が遅ればせながらの規制をひいたために,本来の救助やボランティアの活動を制限してしまうこともあるようです。
 災害時の人の行動と,助け合う社会について考えてみたい方はどうぞ。

 災害が起きた場所では,パニックが起きて犯罪が多発して…というふうにならないのは日本人だからなのか…。そうではないようです。災害が起きた場所では,行政が動く前に市民達が自主的に判断し,行動し,そして真っ先に命を救おうとします。自分の時間と財産を削ってでも人様の役に立とうとします。
 今までの大きな災害現場では,「そんな世界=ユートピア」が出現することが多いと著者はいいます。
 今回の東北大震災でも,それは同じだったようです。
 この相互の助け合いの心が日常に拡大していくことはないのでしょうか? いろいろと考えさせられる本でした。

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コメント

「抜け始めてわかる 髪は長い友だち」ってコマーシャルがあったけど,人は「ないもの」を求めるんでしょうね。<充分在るとき>にはその大切さに気付かない…。
 勉強する環境にないときに,余計に勉強したくなる…ということも言えます。
 上げ膳据え膳では,ダメなんだけどなあ。

投稿: 珠洲たの管理人 | 2011年9月26日 (月) 06:56

本質的な部分は大きく変わらないでしょうね。

日本人の特性「勤勉さ」も結局は平時のときの様子ですし。
亡くなった方のものを盗む者もいたくらいですから、有事になれば何をするかわかりません。

ただ、これだけ雇用不安やデフレ、社会保障の将来が見えない状態が続いているなかで、大きな出来事が起きないというのは珍しい部分でもあります。


以前にも記しましたが、核家族化して「家族に規制をかけてはならない」と教えれば、子どもたちの大切なものは「家族」になるし、たくさん家族がいて「誰かしら家族がずっと家にいる状態」になると、うっとうしく感じるのが常なのでしょう。

投稿: salir | 2011年9月25日 (日) 07:46

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