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『これでいいのか福島原発報道』

 8人のジャーナリストやルポライター,放射線医学関係の医師などによる論文を集めたものです。
 2011年5月30日発行なので,それまでに報道された話題についてだけ書かれています。当然ながら,その後,徐々に明らかにされてきた事実もありますが,ここでは震災1ヶ月から2ヶ月くらいのことを取り上げていると思って読んでください。
 <震災から2ヶ月間>の報道の様子を専門家の立場から見たこの論文集を読んでいると,これまでのマスコミ報道には,国民の知りたいことや本当のこと,国や電力会社に対するするどい批判や国民を守る視点などが欠けていることに気づかされます。
 震災後の原子力資料情報室の臨時会見では,いち早くメルトダウンや水素爆発の危険性が指摘されており,その後の報道が,彼らの言う通りだったことを教えてくれました。そんな専門的な報道が,公共のマスコミを通事でほとんど全くなかったのはなぜなのかが,本書で明らかにされています。
 まさに国も電力会社も御用学者も「原子力村の住民」だったのです。

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コメント

「巨大技術を認めた国家・国民としてのあるべき姿とはほど遠かったと…」
同感です。「お国のやることに,マチガイはない…」という風潮が完全に支配していた(多数派を形成していた)のが日本ですね。
 あの戦争で負けてからしばらくの間は「安保」などもあったのですが,所得倍増計画がうまくいき出すと戦前のように「いろんなことは国任せ」になり,自分たちで考えることがなくなったようです。
 こういう民族は日本人だけなのかどうか知りませんが,つい最近の政権交代までずっと同じ政党が政権を握っているって,他の国ではなかなかないことですね。しかもその政権交代した政権も,今までとはそんなに変わらないし。
 たぶん,みんな,巨大技術を認めたつもりはないけど,つもりはなくても,認めていたからここまできたことは確かです。でも,こう言ってしまうと,一億総懺悔になっちゃいそう。

投稿: 珠洲たの管理人 | 2011年7月10日 (日) 09:01

これは、当初の報道から指摘してきたことです。

非科学な同心円を描き、より放射線量の高い避難所に移動させたこと。「ただちに影響はない」と言い、年1ミリSvの基準を20ミリSvまで引き上げたこと。地震直後、東電は119番通報していないことetc...そうしたものをひもといていけば、結局は「(ウソばかりを並べて記者がいなくなった記者会見で)ご質問ありませんか?」という架空の安全神話になる。

海外のマスコミ報道は、ほんとうに熱心で、東電のみならず、日本国政府・国の対応についても厳しく追及していましたが、年1兆円近くのスポンサー料は美味しいですからね。
NHKにおいては受信料を払ってウソを伝えてもらっていたんですから、もう傑作です。

日本人は少しおっちょこちょいなところがあって、「理屈じゃなくて…」と言ってしまうことがよくあります。原発でいうと「原子力発電所が守られたら、付近住民には影響がない」という見方。「原子力は何が何でも危ないから反対。あらゆることを想定することがあってはならない。」など。
偏った見方・あらゆる視点に立たず、多くのことを想定せずにタブー視する・センチメンタルに動こうとすることは日本には非常に多くあります。結果として巨大技術を認めた国家・国民としてのあるべき姿とはほど遠かったと私は思います。

投稿: salir | 2011年7月10日 (日) 08:17

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