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広瀬隆著『原子炉時限爆弾』

110422  3.11の大震災のあとすぐに注文していた『原子炉時限爆弾』が,1ヶ月遅れくらいでやっと届いた。アマゾンに注文したのだが,おそらく沢山の注文があったのだろうと思う。慌てて増す刷りしていたのだろう。
 内容は,「東海地震により浜岡原発に大きな被害が起きることは間違いない」「それはいつ起きるか分からないけれども,必ず起きる」という話が中心。日本各地には他にも沢山の原発があるので,それらの危険性にも言及している。まあ,要するに,「こんなに地震が多い土地の上にこんなにたくさんの原発をしかも海のすぐ近くに建てていること自体が自殺行為だ」というわけだ。
 確かに,日本の高度成長時代には大きな震災はなかった。だからこそ成長できたと言えるのかも知れない。
 阪神淡路大地震前後から日本の地面は揺れ出した。「地震の活動期に入ったと言える」と専門家たちは口を揃えて言っている。今までが大丈夫だったからこれからも大丈夫だということは言えなくなる。専門家が正しいとすれば…だが。だって,これからは専門家を見分ける必要もありそうだ。
 今度の原発事故の半年前に書かれた本書は,まるで予言の書である。これ以上,この予言通りになってはいけない。

 いま必要なことは,地下激動する日本列島に住むすべての人が,原発の耐震性の議論に参加することである。国民すべて,赤児から高齢者まで,男女を問わず,誰もが一瞬で人生を奪われる被害者になる可能性を持っているのだから,「原子力についてよく知っている」と自負する人間に任せないで,自らの手で調べて,自らの頭を使って考えるべきである。ここまで原子力発電所を大地震の脅威にさらしてきたのは,この「原子力についてよく知っている」人間たちなのだから,その人間たちに任せてはいけない。まさに醜議院・惨議院と呼ばれるべき政治家たちが,これまで一体何をしてきたというのだ。今は「原子炉廃止法案」が国会に提出され,直ちに原発震災の危機から国民をすくうべき時なのである。 282p

 この文章が書かれたは2010年8月6日。それから半年で,小規模ながら原発震災が起きてしまったのである。本当に首都が全滅しないためにも,とりあえず浜岡の原子炉はすぐに止めないといけないと思うのだ。
 広瀬隆の著書については,『危険な話』を書いた頃からすでに「大げさだ」とか「非科学的だ」とか言われてきた。この本についても,そんな内容のレビューが散見される。が,たとえ,非科学的な部分があるとしても,「科学的を自称する学者たちがやって来た結果」が今回の原発震災だと言うことを思うと,「専門家に任せろ」ではいけないのだと思う。アジテーションが一人歩きしないように気をつけながらも,本書の指摘にはしっかり耳を傾けるべきだと思う。

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コメント

もう、原発指針そのものが誰も責任を負わない仕組みになっていますからね。地質学の先生方は震度6でも当面は倒れないといい、土木・建築会社が建て、電力会社が運行する。

地震耐震の技術は既にあり、議論しなくとも、早急にやろうとする意志さえあれば、誰も反対することではない。

しかし、以前に「パラシュートののせていない飛行機を運航させているようなもの」と書いたように、結局、多くの過信や、根強い不信が、「技術に対する人の心」を伴わせなかったことが、一番の問題だと思います。

二足ロボットを走らせることより、原発で撤去するロボットがあったほうがどれだけ役に立つか。。。目先の利益や理想に走るのはほんとうに危険だと思う。

投稿: Salir | 2011年4月24日 (日) 19:08

若い頃、広瀬隆の『危険な話』を読みだしたらとまりませんでした。本の世界が現実化していく恐怖を感じます。

投稿: アイランド | 2011年4月23日 (土) 09:49

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