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「帝国ホテルの不思議」

110113 村松友視著『帝国ホテルの不思議』(日本経済新聞出版社,2010)を読んでみました。
 先に,同じような内容の本で『加賀屋の流儀』というのを読んでいたので,この本も気になったというわけです。年末の新聞紙上でこの本のことを知りました。
 村松氏は帝国ホテルで働いているいろいろな職業の人にインタビューをして,帝国ホテルの魅力を明らかにしています。その職業は,実にさまざま。ドアマンやフロントはもちろんのこと,氷彫刻の職人さんや宴会のチーフ,さらにはランドリーの係の人まで…帝国ホテルに興味がなくても,この仕事ぶりを覗くだけでおもしろいと思います。実際,わたしは帝国ホテルなんて見たこともありません(^^ゞ

○つねに頭に入れて時をすごす(総料理長)
 田中さんは,帝国ホテルのスケジュールに入ったさまざまな食事会のメニューを,つねに頭に入れて時を過ごしている。だが,一ヶ月前から考えつづけても,まったくそのメニューがまとまらないまま,日にちが近づいてしまうこともある。それがあるとき,神田駅から東京駅までの電車のひと駅のわずかな時間の中で,「全部いっぺんにまとまっちゃった」ことがあった。(中略)それは,四十年の経験のつみかさねや,抽出としての知識,それに感受性や瞬発力などが合体して,いちどきにほとばしり出たのだろう。(25p)

 田中さんのように授業プランが浮かんでくれば申し分ありませんね。日頃から広く高くアンテナをあげておくことで,明日の授業に生きるものが手に入るかも知れません。ある程度は経験がないとできないでしょうが…。

○お客様は十人十色でなく,一人十色」(客室課マネージャー)
 その“おもてなし”はもちろん臨機応変,これまでの経験則や独特の勘,宿泊客の心のありようへの観察力,人間という不思議な存在への読解力などの総動員が条件となり…(中略)…小池さんが到達した「お客様は十人十色でなく,一人十色」という境地は,客室課の新人にとっては,気が遠くなるほどの高い地平であるにちがいない。(32p)

 含蓄のある言葉ですね。教室の子どもたちだって「一人十色」だと思います。だからこそ,決めつけないで見てあげたいものです。新人にとっても気持ちよく子どもとつきあう方法を伝えてあげるのもわたしたち中年の役目ですね。それには仮説実験授業をやるのが一番です。すぐにマネできて,子どもたちの素晴らしさに嫌でも目がいきますからね。

 まだまだステキな仕事をしている人たちが紹介されています。
 教師の参考にもあると思います。お薦めです。  

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